リモートワークの普及によってPCのキッティングや故障対応などが行いづらくなり、多くのIT担当者が頭を悩ませています。そうした業務をなるべく自動化・効率化するには、PCのライフサイクルにわたる運用をサポートするサービスが最適です。エンドポイントデバイスの管理用途として多くの企業が用いる「VMware Workspace ONE®(以下、Workspace ONE)」と親和性の高いサービスを選ぶことで、より多くのメリットを得ることができます。
在宅勤務やリモートワークなどの多様な働き方が広がる中、PC運用管理のあり方も大きく変わってきています。その際に重要なキーワードの1つとなるのが「自動化」です。PCなどのデバイスの運用管理はそれ自体がビジネス価値を生むものではなく、IT担当者にとって大きな負担になることがほとんどです。
特に「1人情シス」のように限られた担当者がさまざまなシステムを担当している場合、価値につながりにくい業務は外部のサービスを利用したりしてなるべく効率化したいところでしょう。そこで重要になるのが自動化です。
VMwareでもPCの運用管理を自動化するさまざまなサービスを提供しています。その代表的なソリューションがWorkspace ONEです。Workspace ONEは、デバイス管理や資産管理、アプリケーション管理、セキュリティ管理などを1つのパッケージにすることで、PC運用管理にまつわる業務の自動化を推進するサービスです。
もっとも、PCの運用管理はデバイス管理に限りません。特に、リモートワークが広がる中で、多くのIT担当者が感じるようになったのが、PCのキッティングでしょう。入社した従業員向けにスムーズにPCをセットアップし、アプリケーションをインストールして提供していくことは、リモート環境では簡単なことではありません。
PCのライフサイクルマネジメント(LCM)という観点で見ると、キッティングだけでなく、自動化が適用されていないさまざまな業務が残っていることがわかります。キッティング後のデリバリー、故障した場合の代替機への交換、廃棄などです。Workspace ONEのような便利な管理サービスを利用していると、LCMの観点からも、PCをさらに効率よく管理していきたいというニーズが出てくるでしょう。
実際に、いくつかのPCベンダーは、新規PCに顧客向けのOS設定やアプリケーション設定などを施した状態で工場から出荷し、キッティングの負担軽減をサポートするサービスがあります。そこにWorkspace ONEなどの管理ソリューションを含めてキッティングできれば、PCを利用するまでのさまざまな業務の自動化も可能になります。
そうした中で、Workspace ONEの取り扱いで多くの実績を持つウィザースが新たに提供を開始したのが「Workspace Gateライフ・サイクル・マネージメント(LCM)サービス」です。PCのプロビジョニング、キッティングから指定場所への配送、PCの故障発生時の復旧対応まで、PCのライフサイクルにわたる運用を支援するサービスです。
Workspace Gate LCMサービスを利用すれば、IT担当者は出社せずとも、在宅勤務やリモートワークを行う社員が自宅やリモート拠点で利用するPCのキッティングや故障対応などが可能になります。
PCのライフサイクル管理をサポート
もっとも、LCMサービスはすでにさまざまなベンダーがサービスを提供しています。その中でWorkspace Gate LCMサービスの特徴は、カスタマイズ性の高いサービスを提供できることにあります。
通常のLCMサービスでは、キッティング業務をアウトソースできても、ユーザーのWindows環境やアプリケーション環境の細かな設定が難しい場合があります。数種類のマスターしか作成できないため、部門や職種に応じた環境設定など、多様なユーザーのニーズに対応できないこともあります。
特に近年のPC環境は、Windows 10による新しいバージョン管理の採用以降、定期的な最新機能へのアップデートなどによって、複数バージョンが混在しがちで、従来のLCMサービスでは十分に対応できないことも増えています。また、新規PCのプロビジョニングには対応しても、既存のPCを回収して再プロビジョニングするといった業務には対応していないことがほとんどです。
Workspace Gate LCMサービスは、IT担当者に代わってWindowsが提供するプロビジョニングパッケージを作成し、マスター展開では難しいWindowsのバージョンごとのパッケージを作成してキッティングできます。オプションで「Dell Provisioning for VMware Workspace ONE」などのベンダー独自仕様に対応することもできます。
また、新規PCだけでなく、既存のPCを回収したうえで、再プロビジョニングを施して、デリバリーできることも大きな特徴です。
Workspace Gate LCMサービスは、キッティングフェーズ、運用管理フェーズ、故障対応フェーズの3つのフェーズで構成されます。いずれにおいても、Workspace ONEと連動した管理が可能であることがポイントです。
例えば、運用管理フェーズでは、PC運用レポートにWorkspace ONE Intelligenceを利用。IT管理者向けに定期的にPCの状態をレポーティングします。オートメーション機能により問題が発生した、あるいは発生する可能性が高い場合に、IT管理者に代わり自動対応が可能です。
また、運用管理には、Workspace ONE UEMを採用しており、Windows10 PCをはじめとするデバイスの一元管理やデバイスの状態を把握した構成管理、アプリケーション配信も可能です。
故障対応フェーズでは、故障したPCの原因切り分けを行い、修理の手配、代替機発送の手配を行います。
プロビジョニング済みの代替機を指定の場所に送り、故障したPCを預かって修理対応を行うため、リモートワーク中でも、問題なく対応できます。もちろん、オンサイトでPC設置先に向かうこともできます。
故障時にも代替機へプロビジョニングを行い、ユーザーへ直接発送
さらに、提供コストがリーズナブルな点もポイントです。必要に応じて、ウィザースが提供するさまざまなWorkspace ONE関連サービスと組み合わせて利用することもできます。
働く環境が大きく変わる中、Workspace Gate LCMサービスは、PCに付随する業務の自動化と生産性向上に大きく役立つサービスといえるでしょう。