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2022-06-06

アプライアンス型とパブリッククラウド型の“いいとこどり”を実現したロードバランサー

By 株式会社ネットワールド

IT運用コストと運用負荷軽減テレワークの推進セキュリティ強化ネットワーク運用管理

多くの企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指す中、ITインフラはマルチクラウド環境へと拡大しています。しかし、サーバ負荷分散を行うロードバランサー/ADC(アプリケーション・デリバリー・コントローラ)においては、従来型の専用ハードウェアでは個別の機器管理、マニュアルオペレーションや手動でのキャパシティ管理が足かせとなり、インフラの管理や拡張のボトルネックになっているのが実情です。その課題を解決するソフトウェア型ロードバランサー「VMware NSX® Advanced Load Balancer™」について、株式会社ネットワールドSEの田名部が解説いたします。

時代に取り残されつつある従来型ロードバランサー/ADC

効率的かつ快適なネットワーク運用を実現する上で不可欠なロードバランサー/ADC。しかし、専用のハードウェアを用いている従来型のロードバランサー/ADCは、仮想化やクラウド化といった時代の変化から次第に取り残されつつあります。

サービスの増加に伴いロードバランサー/ADCの台数も増えていきますが、従来型では個別のデバイス管理が必要であり、ベンダーごとに異なるマニュアルオペレーションやキャパシティ管理に対応しなければなりません。

しかし、パブリッククラウド上でサービス提供されているロードバランサー/ADCを活用しても、抜本的な解決策とは言えません。負荷変化に対する伸縮性は高まるものの、従来型のロードバランサー/ADCと比べると機能が限定されていたり、クラウドごとに使い勝手や仕様が異なっていたりするなどの課題が残るからです。

結果として、オンプレミスからパブリッククラウド間の移管が遅延し、プロジェクト推進が中止に追い込まれることも珍しくありません。

パブリッククラウドにおけるロードバランサーの課題

VMware NSX Advanced Load Balancerの特長

そうした中で、クラウド時代に最適なソフトウェア型ロードバランサーとして注目されているのがVMware NSX Advanced Load Balancer。その機能や特長を見ていきましょう。

  • マルチクラウドをまたいだ複数のロードバランサーの「一元管理」
  • 負荷変化に柔軟に対応する「伸縮性」
  • 物理・仮想・パブリッククラウドのあらゆる環境に対応できる「動作プラットフォーム」
  • コントロールプレーンとデータプレーンの分離による「リソースの有効活用」
  • 負荷分散からセキュリティまでサポートした「豊富な機能」

などといった特長を持ち、物理アプライアンス型とパブリッククラウド型の双方のロードバランサーの“いいとこどり”をした製品です。

従来型ロードバランサーとVMware NSX Advanced Load Balancerの最大の違いは、ネットワークのトラフィックを処理して負荷分散を行うサービスエンジンと、それを管理するコントローラが分離しており、サービスエンジンはオンプレミスの物理環境や仮想環境、コンテナ環境、パブリッククラウドの仮想環境やコンテナ環境などへ自由に展開できる点です。

しかもサービスエンジンは伸縮自在です。ネットワークの拡大やトラフィックの負荷変化に応じてサービスを追加・スケールアウトするほか、サービスエンジンに割り当てるCPUを追加してスケールアップすることも可能です。

そして、マルチクラウド環境の全てのサービスエンジンをコントローラで一元管理します。コントローラはサービスエンジンの1クリックでのプロビジョニングに対応可能。そのほかにも、アプリケーションごとの性能分析に基づいたL7(HTTP)およびL4(TCP/UDP)、GSLB(Global Site Load Balancing)による負荷分散、オートスケールによる自動運用を実現します。

クラウド時代に最適なソフトウェア型ロードバランサー

さらにVMware NSX Advanced Load Balancerで特筆すべき点は、トラフィック可視化機能とセキュリティ機能です。トランザクションの合計時間だけでなく、クライアントからデータセンターまでのネットワーク遅延、データセンター内のネットワーク遅延、アプリケーションの応答時間といった詳細な情報を取得し、アプリケーションのパフォーマンスやユーザーエクスペリエンスを可視化できます。

アプリケーション解析によってあらゆる情報を可視化

セキュリティについては、WAFのほか、アプリケーションレートリミット、L7ファイアウォール、暗号化/復号化(SSL/TLS)、DDoS保護、L3/4ファイアウォールといった機能を提供し、リアルタイムの監視を実現します。

それに加えて、VMware NSX Advanced Load Balancerは、他のVMware製品との高い親和性を備えていることも特筆すべきポイントです。既存のVMware vSphere®環境におけるロードバランサーのリプレース、「VMware Cloud™ on AWS」を利用したハイブリッドクラウド環境への展開、「VMware Horizon® Cloud Service™ on Microsoft Azure」を利用したハイブリッドなVDI環境への展開といったユースケースにも容易に対応可能です。

ロードバランサーの一元管理を実現した導入事例

VMware NSX Advanced Load Balancerはすでに多くの企業へ導入されており、ここではある企業の事例を紹介しましょう。

異なるメーカーのロードバランサーを複数導入・運用していたこの企業では、製品ごとの管理に追われており、次のような課題を抱えていました。

  • ロードバランサーを後継機種にリプレースする場合も、各メーカーの製品に精通したエンジニアをアサインしなければならない
  • 既存のロードバランサーはハードウェア製品であるため、後継機種にリプレースする場合は物理作業が個別に発生し、工期も長期化する。特に半導体不足やサプライチェーンの分断などの問題が生じている昨今、納期を見通せない
  • 一部の機能に使用しているスクリプトの取り扱いが属人化しているほか、スクリプトの内容はメーカーの保証に含まれていない
  • 同一ロードバランサー機器内のサービス単位で独立したルーティングポリシーを保持する構成となっていない

そこで同社はネットワールドからの支援を受け、VMware NSX Advanced Load Balancerを導入しました。これによりロードバランサー導入期間の大幅な短縮、機器運用の一元管理、アプリケーション可視化によるユーザーエクスペリエンスの改善などを実現しました。

 

今後のネットワークの拡張や負荷変化に対しても、CPUライセンスの追加購入およびサービスエンジンの追加デプロイで対応可能。その上VMware NSX Advanced Load BalancerではVRF(Virtual Routing and Forwarding)機能が利用できるため、ルーティング経路もサービスごとに保持できます。さらに、これまでスクリプトが必要だった機能がパラメーター設定で実装可能となり、その結果として属人化を脱するとともにメーカー保証の範囲内でロードバランサーを利用できるようになりました。

ネットワールドではVMware NSX Advanced Load Balancer導入時の設計支援サービスから構築サービス、アフターフォローとしてインシデントQ&Aサービスを行う導入後サポートサービスまで幅広い支援体制を整えています。今後も、同社と同様の課題を抱えた企業に対して、マルチクラウド化を見据えたネットワーク刷新を実現していきます。

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