クラウド化が加速する昨今、オンプレミスにある社内の既存のサーバーをクラウド環境に移行する企業が増加しています。ここでは、「VMware Cloud™ on AWS」を導入した建設用クレーンメーカーであるタダノ様の事例から、大規模アーキテクチャのクラウド移行プロジェクトをどのように成功へ導いたのか紹介します。
1955年に日本初の油圧式クレーンを開発して以来、建設用クレーン業界をけん引している株式会社タダノ様。創立60周年を迎えた2008年からは「LE(Lifting Equipment:(移動機能付)抗重力・空間作業機械)」を事業領域と定め、LE世界No.1企業を目指して時代のニーズに応える製品の開発に力を入れています。
こうした事業を支えるITインフラとして、同社はデータセンター内にサーバー約100台からなる仮想化基盤を構築していました。これまで、機器のリース満了の際は、約2年前から機器選定・人員計画・仕様検討などを都度行う必要がありました。そのため、同社のICT部門はクラウド移行を検討していました。
社内のITインフラをクラウド化する最終目的は、ビジネスの俊敏性向上、BCP対策の強化、コスト削減、生産性向上です。さまざまなベンダーが提供するクラウドプラットフォームを比較検討し、最終的に同社が選定したのは、アイレットが提案した「VMware Cloud on AWS」でした。
VMware Cloud on AWSは、VMware vSphere®ベースの仮想環境をAmazon Web Service(AWS)上に構築できるソリューションであり、次のようなメリットがあります。
アイレットがVMware Cloud on AWSを提案したのは、こうしたメリットがタダノ様のクラウド移行のケースに適していると考えたためです。
約100台ものサーバーのクラウド移行にあたり、VMware Cloud on AWSとネイティブなAWSのサービスの2つにまたがるハイブリッド環境を構築しました。サーバー1台ごとにスケジュールを策定し、約1年かけて全てのサーバーをクラウド化しました。
ハイブリッドクラウド基盤の概念図
ハイブリッド環境を構築した理由は、ソフトウェアやシステムの仕様面、コスト面といった複数の観点から、クラウド化のメリットを最大限に引き出すためです。
例えば、ある基幹系データベースをそのままVMware Cloud on AWSに移行すると、全てのホストにライセンスが必要となるためにコストがかかってしまいます。これではクラウド化によって期待できるメリットを十分に享受できません。
こうした施策を講じた結果として、タダノ様は次のようなメリットを得られました。
今回タダノ様のクラウド移行を支援したアイレットは、タダノ様を始めとした多くのお客様から高評価を得ています。
アイレットは、VMware CloudやAWSを始めとしたさまざまなクラウドサービスへの知見が高く、総計2500社以上、年間にして4300件を超えるクラウド移行プロジェクトをサポートしてきました。蓄積してきたノウハウを生かし、お客様の課題やご要望に合わせた柔軟なプロジェクト設計が可能です。
インフラ構築・システム開発・デザイン制作など、クラウド移行に関わる各分野に精通した専門チームを揃えているため、移行対象の選定・計画・実機調査・運用など、クラウド化の全てのフェーズをワンストップでサポートすることが可能です。
クラウド化のロードマップ例
また、アイレットはAWSパートナーネットワークにおいて日本初のプレミアムコンサルティングパートナー(現:AWSプレミアティアサービスパートナー)の1社として認定されました。世界的にもトップレベルのクラウドプロバイダーから認められた高品質のフルマネージドサービスを提供し続けることで、現在でもAWSプレミアティアサービスパートナーとして認められています。
国際的なセキュリティ規格への準拠、認証の取得を積極的に行っているのも大きな特長です。具体的には、ISMSクラウドセキュリティ認証やISMS-PIMS認証の取得、PCI DSSへの準拠、米国公認会計士協会(AICPA)が定めた受託サービスに関する内部統制の保証報告書である「SOC2」の取得などがあります。
アイレットは、今後もクラウド導入をお考えのお客様に、高品質のサービスを提供してまいります。きめ細かなサポート、さまざまな視点から見た最適なクラウドサービスの提案など、クラウド化に当たって不安を抱えているお客様は、ぜひご相談ください。