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2022-09-07

クラウドシフトへの起点!SCSK とGoogle Cloudが語る「Google Cloud VMware Engine(GCVE)」の活用ポイント

By グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

vmware cloud verified

IT運用コストと運用負荷軽減これからクラウドへ取り組むハイブリッド クラウドクラウド移行

デジタル トランスフォーメーション(DX)の実現に向けたクラウド活用が進む一方、オンプレミスで運用してきた既存インフラの移行、クラウド ネイティブな活用を見据えたアプリケーションの改修や最適化などの課題も依然として残っています。Google Cloud VMware Engine(GCVE)をクラウド移行の起点として活用することで、これらの課題をどのように解決することができるのでしょうか。Google Cloud と同社のパートナーである SCSKの技術者に話を伺いました。

※GCVEに関する詳細は過去の記事をご覧ください。

インタビュー

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SCSK株式会社
ソリューション事業グループ クラウドサービス事業本部
サービス開発推進部 Google Cloud担当
山田 直輝 氏
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SCSK株式会社
ソリューション事業グループ クラウドサービス事業本部
サービス開発推進部 GCVE移行プロジェクト チームリーダー
林 惇史 氏
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グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
パートナー エンジニア
中谷 祐輔 氏
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グーグル・クラウド・ジャパン合同会社
パートナー エンジニア / VMware vExpert
栃沢 直樹 氏

データ分析を狙いとするクラウド移行が増加

――まずは最近のクラウド移行やクラウド活用に関する動向、お客様のニーズの変化、課題感などについてご意見をお聞かせください。

山田:あくまでも個人的な肌感覚ですが、データ分析を目標としたクラウド移行の案件や引き合いが増えてきた気がします。そうした中で注目されているのが Google Cloud です。スケーラブルなデータ分析を可能とするデータ ウェアハウス サービスの Google BigQuery や、AI(人工知能)/ML(機械学習)系のサービスなどを組み合わせた提案がお客様のニーズと合致し、結果として Google Cloud の選定にいたるケースが増えています。

中谷:Google Cloud の立場からも、山田さんに挙げていただいた Google BigQuery や AI/ML 系のサービスは、Google Cloud の強みでもあるソリューションですので、そのようなご提案をいただいており、非常にありがたく思います。

――データ分析をはじめ、目的指向でクラウド活用・クラウド移行に向かうのが最近の傾向と捉えてよいのでしょうか。

中谷:クラウドへの移行を推進するパターンとしては、大きく 2 つあると思います。1 つは、おっしゃるような目的指向のクラウド移行です。例えば、データ量が増え続ける DX の時代において、オンプレミスでの運用が非常に難しいデータ分析の基盤をクラウド上に構築し、あとから全社的なインフラをクラウドに移行するパターンです。    

もう1つは、システムの基盤の更改や刷新のタイミングをトリガーに、SoE(System of Engagement)のようなワークロードのモダナイズ目的でクラウドへの移行を始めるパターンで、データ分析などの環境構築が結果的に後に回るパターンもあります。

GCVE を活用したクラウド移行とその課題

――あとでやるか先にやるかは別にして、いずれにしても移行メリットが大きいリソースをまずクラウドに移行することが前提となるわけですね。そうしたインフラ移行はどのような方法によって行われていますか。

中谷:多くの企業の IT インフラは VMware vSphere® ベースで仮想化されているという背景もあり、2021年あたりから Google Cloud VMware Engine(GCVE)を採用していただくケースが増えています。

山田:SCSK でも、オンプレミスの VMware vSphere 環境から GCVE への移行を目指すお客様のプロジェクトをサポートさせていただいています。

――GCVE を利用することで同じ VMware vSphere ベースのシステムを Google Cloud へスムーズに移行できるということですね。

林:はい。スムーズに移行可能ですが、GCVE を利用する際に課題となる点がないわけではありません。おっしゃるとおりオンプレミスの VMware vSphere 環境で稼働している既存のワークロードを変更したくない、そのままクラウドに持っていきたいという理由から GCVE を選択するお客様は増えてきていますが、そこでネックとなりうるのが VMware vSphere のバージョン差異です。

GCVE の VMware vSphere のバージョンは自動的に更新されるため、お客様が最新に近いバージョンを利用していれば問題なく GCVE へ移行することができますが、古いバージョンだとオンプレミス基盤をいったんバージョン アップする必要があるなど、さまざまな考慮すべき点が出てきます。

山田:補足すると、オンプレミスの VMware vSphere がどんなネットワークで運用しているのか、移行ツールについても VMware HCX® を使うのか(使えるのか)、あるいはサードパーティ製品を使うのかによっても移行の難易度は変わってきます。またサーバー移行の際に対象サーバーを一時停止しなければならない場合もあるため、ユーザー部門とのスケジュール調整も必要となります。

林:結局、お客様ごとの固有環境によって考慮しなければならないポイントや制約事項も変わってきますので、GCVE への移行といえども事前の綿密な調査と、それに基づいた移行計画の策定が不可欠です。

中谷:そうした GCVE を利用する上で顕在化するさまざまなギャップを、SCSK 様をはじめとする SI パートナーの皆様に解消していただいています。

栃沢:特に SCSK 様 は Google Cloud および VMware vSphere 環境の双方の技術力はもとより、ネットワーク設計や運用サービスにも対応できる社内体制と幅広い知見を備えており、私たち Google Cloud にとって非常に心強い存在です。

インフラ移行を成功させるポイント

――GCVE へのインフラ移行を成功させるポイントを教えてください。

山田:やはりリフト&シフトの戦略をとることが基本となります。先程触れたようなデータ分析など、お客様が本当にやりたいことを実現するためにはクラウド ネイティブな形にアプリケーションを改修する必要がありますが、インフラ移行と一括して行うには相当な体力と期間が要求されます。

そこでまずはオンプレミスのインフラをそのまま GCVE に移行(マイグレーション)し、その後 Google Cloud の豊富なネイティブ サービスと柔軟に組み合わせながら、段階的にアプリケーションの改修(モダナイゼーション)を進めていくことが、SCSK としての提案です。

――アプリケーションのクラウド ネイティブ シフトを進めていく上での Google Cloud および GCVE の使い勝手はいかがでしょうか。

山田:GCVE はプロビジョニングがとても楽で、しかも速いという印象です。ほぼ30分以内の待ち時間でアプリケーションの開発や実行に必要な一通りの環境ができ上がります。

林:これまでのオンプレミスの仮想化基盤での環境構築の苦労を知っているだけに、GCVE におけるプロビジョニングの容易性は本当に驚きです。

この特性を生かすことで、手軽に PoC を行えることも非常に大きなポイントです。データ分析や AI/ML の環境を構築する際にも、最初からすべてのデータを持ってくるのではなく、限定されたデータを用いて狙いどおりの機能や操作性、精度などを得られるかどうか確認しながらスクラップ&ビルドを行い、徐々にシステムを拡大しながら最適な環境へ発展させていくことができます。

栃沢:少し細かい話になりますが、容易性について補足させていただくと、VMware as a Service ではサード パーティツールを活用したいと思った場合に 連携に必要となる VMware vSphere の権限が足りないというケースがあると聞きます。そこで GCVE では、通常割り当てられるクラウド オーナー アカウントとは別にサードパーティ ツールなどを連携する際に利用できるソリューション ユーザー アカウントを用意しています。

ソリューション ユーザーアカウントは、クラウドオーナー アカウントを GCVE コンソール上で一時的に権限昇格させて vCenter にアクセスをいただき、ソリューション ユーザー アカウントを vCenter 上で利用できるように設定することで利用できるようになります。

サードパーティ ツールだけではなく、「vRealize Suite」、「Site Recovery Manager」などの VMware のファースト パーティ ソリューション、「Migrate to Virtual Machines」のような Google Cloud のファースト パーティ ソリューションの利用時にも活用いただけます。これは他のクラウド プロバイダーが提供している VMware as a Service とは違った GCVE ならではの利便性です。

――クラウド移行および GCVE の導入を検討している企業に向けて、最後にメッセージをお願いします。

山田:先に述べたように既存のインフラを GCVE に移行する上では、考慮しなければならないさまざまな課題がいくつもでてきます。そうした前段階の課題解決に工数を費やすのではなく、お客様にはクラウドを活用することにすべてのリソースを集中していただきたいと思います。SCSK があらゆるご相談に対応しますので、ぜひ気軽にお声がけをいただければ幸いです。

中谷:Google Cloud を活用することで、「だれでも」「すぐに」イノベーションを生み出すための基盤を構築することができます。SCSK 様がもつ営業力、提案力、技術力、顧客基盤といった強みと、Google Cloud が持つ先進性を組み合わせたシナジーを発揮することで、お客様の DX への取り組みをさらに強力に支援していきます。今後も SCSK 様と Google Cloud のコラボレーションにどうぞご期待ください。

お問い合わせ先

グーグル・クラウド・ジャパン合同会社

email: gcve2020@google.com

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