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2021-06-06

売上5,000億以上の企業でシェア1位 大企業のクラウド移行を支えるIaaSとは?

By 日本アイ・ビー・エム株式会社

IT運用コストと運用負荷軽減これからクラウドへ取り組むハイブリッド クラウドクラウド移行

さまざまなクラウドベンダーがIaaSを提供していますが、その中でシェア1位は?と聞かれると、どのベンダーを想像するでしょうか。意外に思われるかもしれませんが、日本国内において、売上5,000億以上の企業にて金額シェア1位を獲得しているのはIBM Cloudです。なぜIBM Cloudが選ばれているのでしょうか。VMwareユーザー企業の目線で考えた、IBM Cloudの優位性をご紹介します。

大企業におけるクラウドシフトの実情

ITシステムのクラウドシフトが進みつつありますが、エンタープライズシステムについては、既にクラウドに移行しているワークロードは20%であり、本格的に移行が進んでいるとは言いがたいのが実態です。

阻害要因としては、「クラウド間の移行」および「管理・運用の一貫性」が挙げられます。こうした要因を取り除くのは難しいため、一足飛びにクラウドネイティブへと移行することができていないのです。多くのオンプレミスシステムを抱える大企業では、クラウドの恩恵を得るために、まずはアーキテクチャの変更を最小限にとどめた状態でIaaSに移行するケースが多いようです。

エンタープライズにおいて、クラウドに移行しているワークロードは限定的

エンタープライズにおいて、クラウドに移行しているワークロードは限定的だ

では、大企業はどのクラウドベンダーを利用することが多いのでしょうか。

「ITR Market View:クラウド・コンピューティング市場2021」によると、日本国内のIaaS 市場では、年商5,000億円以上の企業におけるベンダー別売上⾦額シェアで、IBM Cloudが5年連続1位となっています。

背景として考えられることは、先ほど紹介したとおり、既存のオンプレミス環境をひとまずIaaS化することからクラウド化を始めようという潮流にマッチしているからでしょう。多くの大企業では、オンプレミスのVMware vSphere®環境を利用しています。先述したベンダー別売上金額シェアの結果からも分かるように、既存のvSphere環境をIaaSへと移行するとき、IBM Cloudが高く評価されていると考えられます。

ハイブリッドクラウドインフラとしてのIBM Cloudの特徴

ここで、VMwareユーザー企業から選ばれているIBM Cloudの特徴をみていきましょう。

まず、IBM CloudはハイブリッドクラウドとAIソリューションを実現するために重要なインフラである点が挙げられます。全体の中でも特に重要なのが、一昨年に買収を完了したRedHat製品です。RedHat製品はハイブリットクラウドのプラットフォームであり、その上でIBMが提供するソフトウェアやサービスを提供していく方針を打ち立てています。RedHat製品はどのような環境にでも導入できるため、言い換えるとRedHatさえあれば、どんな環境にでもIBMのソフトウェアやサービスを提供可能と言えます。

IBM Cloudはハイブリッドクラウド実現の重要なコンポーネントの1つ

続いて、IBMが考えるクラウドジャーニーを紹介しましょう。IBMでは、下図の左から右に向かって、システムのアーキテクチャを徐々に進化させていこうと考えています。オンプレミス環境にはVMwareやIBMi、AIXといったUNIXのシステムが存在しています。こうしたマスターアプリケーションのアーキテクチャを大きく変更することなくIaaS上に移行し、サービスの一部をクラウドネイティブ化します。そして最終的にはクラウドネイティブに全面的に移ろうという考え方が前提にあります。

IBMが考えるクラウドジャーニー

IBM Cloudは、リフト&シフトを支える技術としてVMware on IBM CloudやPower Systemsを提供しています。また、SAPのようなパッケージ製品が動く環境や、コンテナ化を支えるRedHat Open Shift、IBM Cloud Paksといったソフトウェア群を用意。加えて190種類以上のサービスと連携できるようにすることで、あらゆるアプリケーションに対応可能なサービスを構築しています。

VMware on IBM Cloud のメリット

もっとも、これだけでは「なぜIBM Cloudが選ばれているのか」という説明として不十分かもしれません。より踏み込んでIBM Cloudの特徴をまとめると、下図のようになります。

IBM Cloudの特徴は多岐にわたる

さらに、VMware製品をIBM Cloud上で利用するメリットは、3つのポイントにまとめることができます。

メリット1:自由度のある認定環境

ベアメタルサーバー1台単位で購入でき、サービスメニューの1つであるIBM Cloud® for VMware® Solutions Sharedでは、1台からの課金でマルチテナントの利用も可能です。この専有環境とマルチテナント環境は、プライベートネットワークで接続することもできます。

選択できる構成も柔軟で、CPU、メモリ、ネットワーク、ライセンス、ストレージを自由に選択することができます。

IBM Cloudでは自由度のある環境を構築できる

また、VMware製品をパブリッククラウド上で動かしただけでは必ずしもパッケージ製品が動くとは限りませんが、IBM CloudではSAP認定済みのハードウェア上にVMware製品を入れ、そこでSAP製品を動かせます。SAPの認定済ハードウェアを提供しているクラウドなら他にもありますが、VMware製品上での稼働を含めて認定を取得している構成を選べるのはIBM Cloudならではと言えます。

メリット2:可用性環境と通信費無料

IBM Cloudでは東京リージョンだけでなく大阪リージョンでもvSphere環境が利用できます。

また、アベイラビリティゾーン間の通信やリージョン間の通信が無料です。そのため、東京で動かしている環境をディザスタリカバリで大阪にも置きたいというケースや、バックアップを取りたい場合であっても通信料はかかりません。

さらにアカウント間の通信に関しても費用がかからないため、IBM Cloud上で何らかのサービスを提供する事業者にとっても大きなメリットがあります。

3種類の通信で費用が無料に設定されている

メリット3:管理者権限の安心感

IBM Cloudの大きな特徴は、管理者権限をユーザー側が持っていることです。

VMware vSphere 基盤を持つお客様は、特殊な用途やカスタマイズを利用したいと考えていることがありますが、そのためには管理者権限が必要なことが多いでしょう。また、管理者権限がないために、監視やバックアップといった日々のシステム管理で従来の方式を踏襲するのが難しくなることや、オンプレで動いていたアプリケーションが動かなくなるということもあります。クラウドだからと諦めていた制約が取り払われる安心感は、IBM Cloudが選ばれている理由の1つです。

管理者権限を持てるクラウド環境は珍しく、IBM Cloudの大きな特徴の1つだ

2,000社以上に選ばれたIBM Cloud for VMware Solutions

IBM Cloud for VMware Solutions は、2,000社以上の実績を誇るソリューション です。

国内では、銀行、証券、生保、損保、信販、FinTech、自動車、輸送機器、鉄鋼、化学、精密機器、機械、電子、食品、化粧品、薬品、玩具、放送、通信、マスコミ、運輸、物流、不動産、情報サービス、公益、官公庁、学校・教育 と多数の業界・業種に導入実績があります。

公開されている事例は こちらからご覧いただくことができます。

このうち、コロナ禍でニーズが高まっているVDIやDaaS(Desktop as a Service)についての事例を紹介します。あるシステムインテグレーターではIBM Cloudで提供するVDIソリューションの1つであるVMware Horizon® Enterprise on IBM Cloudを選択して、大規模なリモート開発環境を構築しています。

IBM Cloudが提供するDaaSおよびVDI

同社ではオンプレミスでVMware Horizonを利用していたことから、培ったノウハウや設計・運用を、なるべくクラウドでも活かしたいと考えていました。また、保有しているライセンスを無駄にせず、クラウド上で再利用したいという要望もありました。

IBM Cloud上のベアメタルサーバーは専有環境であることから、セキュリティの高さや豊富な実績を評価。既存の資産をそのままクラウド上に移行させられ、クラウド特有の考慮点をほとんど考える必要がないこと、また管理者権限を持つことができることもIBM Cloudを選択した理由だといいます。

このように、IBM Cloud は既存のvSphere環境をクラウド環境でも利用するための有力な選択肢として考えられるでしょう。

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