特集記事

2022-01-12

より早く、スムーズなクラウド移行を実現するには

こんにちは、VMware にてCloud Solution Architectをしております屋良です。 本日は、クラウドを活用するにあたって、避けて通れない「移行」にフォーカスしてみたいと思います。

よく聞かれるクラウド移行に際しての課題

クラウドの活用が進み、SaaS なども含めると、すでに多くのお客様で複数のクラウドを利用されている状況ですが、オンプレミス仮想環境のクラウド移行、という点で見てみると以下のような課題をお聞きすることがあります。

プラットフォームが変わることによる課題

  • パブリッククラウドの新しいスキル習得と人材確保
  • VM のプライベート IP が変わるとアプリの改修が必要で追加コストが発生
  • 既存アプリをパブリッククラウドに合わせて手を入れるとコストが合わない

運用に関する課題

  • 業務アプリを止められる時間に限りがある、再度稼働させた際の動作確認に時間がかかる (移行の長期化)
  • 移行に際して、オンプレミス環境の構成変更が必要
  • 移行ツール導入などによる追加コスト

前者のプラットフォームが変わることによる課題については、既存が vSphere 環境であれば、vSphere を採用いただいているクラウドを移行先とすることで解消できることが多いですが、後者の運用に関する課題については移行方法が重要になってきます。

本記事では以下の4つの移行方法について触れていきます。
● よく知られている移行方法
 ・エクスポート / インポートによる移行
 ・バックアップ / 移行ツールによる移行
● VMware HCX を活用したクラウド移行
● VMware Cloud Director Availability (VCDA) を活用したクラウド移行

よく知られている移行方法

ベーシックな移行方法としては、仮想マシンを OVA ファイルとしてエクスポートしてクラウドにインポートする、という方法がありますが、非常にシンプルである反面、システム全体の移行時間は仮想マシンのサイズや数、OVA データの転送方法に依存するため、規模が大きくなればなるほど、移行に時間を要することになります。また、仮想環境に限らず用いられる移行方法として、バックアップや移行ツールの利用がありますが、前述の方法に比べて移行にかかる時間は短縮できるものの、利用するバックアップソフトウェアの追加コストが課題となります。

よく知られている移行方法イメージ

そこで活用いただける移行方法が VMware HCX (HCX) と VMware Cloud Director Availability (VCDA) となります。

VMware HCX を活用したクラウド移行

HCX はVMware が提供する VMware Cloud on AWS を含め様々なクラウドでご利用いただけるようになっており、ご認識いただいている方も多いかと思いますが、以下のような点を特長とする、短期間にクラウド移行を実現いただくためのソリューションとなっています。追加コストという点では、HCX はサービスに包含されている場合が多く、無償ないしは安価に、かつすぐにご利用いただける点もメリットであるといえます。

仮想マシンの停止を最小にするクラウド移行

  • レプリケーションベースの移行 (バルクマイグレーション) や、vMotion による無停止移行 (ライブマイグレーション) をサポート
  • 移行データの通信は重複排除され、移行データの転送にかかる時間を最適化

ネットワーク移行の考慮

  • オンプレミス環境のネットワークを L2 延伸できることで、移行期間中も継続してアプリケーションの通信を確保可能

移行プロセスの自動化

  • HCX により、仮想マシンの移行プロセスが自動化され、HCX の操作だけでクラウドへの移行が可能
  • HCX 利用に際して必要なコンポーネントの展開も簡単な UI 操作で対応可能

HCX 構成イメージ

この記事では、HCX の詳細については触れませんが、Blog にて様々な情報を提供しておりますので、合わせてご参照いただければと思います。
https://blogs.vmware.com/vmware-japan/?s=HCX

HCX 活用におけるポイント その1

インフラ管理者にとって、仮想マシンの無停止移行はHCX の大きな魅力の1つです。アプリケーションの動作確認や、停止時間調整にかかる時間を大きく圧縮できるというのがその理由になりますが、実際には、必ずしも全ての仮想マシンを無停止移行が必要では無いということが殆どではないでしょうか。HCX では、バルクマイグレーションとライブマイグレーションを一緒に利用することができるため、より多くの仮想マシンを短期間に移行する際には、この2つを組み合わせた移行を計画いただくことをお勧めしています。

仮想マシン毎の振り分けのイメージ

HCX 活用におけるポイント その2

HCXのご利用にあたって、オンプレミス環境にもコンポーネントの展開が必要となるため、要件を満たす必要がありますが、オンプレミス環境では、vDS (仮想分散スイッチ) ではなく、vSS (標準仮想スイッチ) を利用しているため、L2 延伸の要件を満たせないとお聞きすることがあります。

オンプレミス環境のvDS へ切り替えることも選択肢の1つではありますが、追加のライセンスコストや、構成変更のハードルは高いと言えます。そこで活用いただけるのが、NSX Autonomous Edge となります。HCX をご利用可能なクラウドでは、NSX が利用可能な環境になっています。NSX にて提供される、NSX Autonomous EdgeのL2VPN 機能により、HCX のL2 延伸部分を補完することが可能ですので、L2 延伸を検討の際には合わせてご検討いただければと思います。 (NSX Autonomous Edge は vSS 環境でも利用可能)

HCX と NSX Autonomous Edge 比較 (2021年12月時点)

VMware Cloud Director Availability (VCDA) を活用したクラウド移行

クラウドには、オンプレミス環境でもなじみのある、vCenter アクセス可能な SDDC を占有するタイプ以外にも、VMware Cloud Director (VCD) を活用したサービスも提供されています。VCD ベースのサービスは、vCenter へのアクセスはできませんが、よりシンプルな UI が提供され、数 VM 規模からのスモールスタートが可能です。

VCD の特長と画面イメージ

VCD 環境においても、クラウド移行に利用いただける、VCDA と呼ばれるソリューションを提供しています。VCDAでは、無停止移行は残念ながらサポートしていませんが、バルクマイグレーションや L2 延伸 などがカバーされています。HCX と同様、サービスの一部として包含されている場合には、追加コストという点でもメリットがあります。

仮想マシンの停止時間を抑えたクラウド移行

  • レプリケーションベースの移行 (バルクマイグレーション) をサポート

ネットワーク移行の考慮

  • VCD を通して提供されるNSX の L2VPN 機能と連携することで、L2 延伸をサポート
  • オンプレミス環境のネットワークを L2 延伸できることで、移行期間中も継続してアプリケーションの通信を確保可能

シンプルな利用

  • オンプレミス環境に展開する コンポーネントは基本的に1 VM のみのため、必要となるリソースを節約可能

VCDA 構成イメージ

VCDA 活用のポイント

今回、VCDA を移行ソリューションとして紹介していますが、元々、DR ソリューションとして開発されたものであるため、移行だけでなく、その後、DR 用途にも継続してご利用いただく、といった活用も可能です。

また、オンプレミス環境〜クラウド間での移行 / DR はもちろんのこと、クラウド〜クラウド間の 移行 / DR にも活用いただけるため、より柔軟なクラウド利用につなげていただきやすいのもポイントになるかと思います。

VCDA の活用イメージ

まとめ

今回は従来からの移行方法に加えて、HCX と VCDA について紹介しました。

HCX と VCDA は「OVF による移行」、「バックアップツールによる移行」と比較して、移行に伴うアプリケーションのサービス停止時間を短縮することができます。

VMware Cloud の各サービスで、どの移行サービスが利用可能かについてはクラウドプロバイダー各社様へご相談ください。

移行方法の整理

お問い合わせ先

ヴイエムウェア株式会社

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